“ものづくり”の心が結んだ、日本茜との縁。
袋谷タオル合資会社 代表|袋谷 謙治さん
オリジナリティあふれるタオルづくり
大正15年に大阪府泉佐野市で創業された袋谷タオル合資会社。5代目社長である袋谷 謙治さんは、“もらってうれしくて、すぐに使える”コミュニケーションツールとしてのタオルを目指し、もともとの受注生産というかたちを超えて、さまざまなオリジナル商品をつくられています。
たとえば、「NOKORI-FUKU のこり福」シリーズ。地元・大阪の生産者さんたちと手を組み、ワインや黒ビールを醸造したあとに廃棄される澱(おり)や麦芽、抹茶などの原料を使って染め上げた、自然そのままの色が魅力のタオルです。
また、水なす、キャベツ、にんじん、バジルなど、同じく地元・大阪でつくられている野菜を使ったシリーズ「雫〜SHIZUKU〜」は、G20のお土産にも選ばれるほど注目されています。
“自然の色”と“もったいない”を大切に
袋谷さんのオリジナリティあふれるタオルづくり、その根底には、自然の色、そして“もったいない”の気持ちを大切にしたいという想いがあります。
「人はやっぱり、自然の中の色に心なごむもの。捨てられてしまう、見落とされてしまうような農作物を原料として、その色をつくりだしたい。」袋谷さんのそうした想いに共感する知人の紹介で、日本茜との縁がつながり、新たなコラボレーションがうまれることとなりました。
泉州タオルは、吸水性を高めるために油分や汚れをとる「後晒し(あとざらし)」という加工を施します。後晒しをしても日本茜ならではの趣深い発色が残る、そんな染め方の研究を重ねて誕生したタオルハンカチは、黄色、ピンク、赤と、選ぶ楽しさのある色展開に。
また、和紙を使った糸の茜染めにも成功。「和」にフィーチャーしたブランドとして、ルームウェアなどの展開を目指していらっしゃるのだそうです。
手をとりあい、“想い”からうまれるものづくりを
謙治さんは仰います。
「私たちがタオルをつくりつづけられるのも、綿を育ててくれる方がいらっしゃるから。その生産者さんたちとお付き合いをする中で、『ものをつくる、育てる』というのは並大抵の想いではできないということを強く感じます。
だからこそ、綿はもちろん、あらゆる農産物をつくられている生産者さんたちを尊敬し、共にものづくりをしていきたいと思っています。」
こうした「想い」からうまれるものは、きっと人の心に響き、人と人とをつなぐきっかけになっていく。日本茜もまた、その可能性をふんだんに秘めた植物です。
袋谷さんとのコラボレーションで、次はどんな可能性が広がるのだろう。袋谷さんと見る日本茜の未来に、心躍らずにはいられません。